平成28年6月18日(土)
講師:川嵜 弘詔 先生(福岡大学医学部精神医学教室 教授)
第2日目講座 前半テーマは『 森田療法とリエゾン精神医学 』でした。
リエゾン精神医学とは身体疾患の医療グループと精神科医とが連携して共同で行う医療システムの事で、悪性腫瘍(癌)の患者さんの緩和ケア(身体緩和+精神緩和)などを目的にしており、最近では比較的治療の初期段階から始める様です。(※昔の緩和ケアは末期から始めていたらしいです)
致命的疾患を自覚すると、生への欲望が強いほど否認(否定)や怒りが沸き起こって強く抗おうとするため、その結果精神的に病んでしまい最悪の場合は自ら命を絶つという矛盾したケースも有るとの事でした。
森田療法的には
◎否認を受容に変え(沸き起こる不安などに抗うのではなく)具体的目標を立て希望を持てる様にする。(catalyzing hope = 希望を処方する)
◎癌と共に生きて充実した人生を送る事は、老いながら生きる事と何の変りもない事を分かってもらう。
◎泣いたり落ち込んだりする事や、健康な人への嫉妬感、葛藤や無力感などを悪いものとはせず、本人の素直な感情を大切にする。
この様な考え方で心のケアを行う様です。
患者さんの心を健康にするのはとても難しい事だと思いますが、森田療法とリエゾン精神医学により精神的緩和を実現する事で、身体的な治療の効果も更に上がる様に期待して行きたいと強く思いました。
※第2日目講座の後半テーマは『 対人恐怖症 』でこちらの方も大変興味深い内容でしたが、後日改めて本ブログにてアップさせて頂きます。
2016年(平成28年)6月19日(日)
森田 研吾
株式会社ノース・ナイン・ステート
福岡・北九州のストレスチェック・メンタルヘルス企業
お役立ちできるEAP(メンタルヘルス外部相談機関)を目指します
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