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初級コース(3日目)【前半】日記指導とカウンセリング

平成28年7月9日(土)

講師:久保田 幹子 先生(法政大学 臨床心理学科 教授)

第3日目講座 前半テーマ『 日記指導とカウンセリング 』をご紹介します。

今日の本題である日記療法に入る前に、森田療法によく出て来る言葉『あるがまま』の説明が有りました。

私が森田療法を勉強している事を知人やカウンセラー仲間に話すと、物知りな人からは「あるがままでしょう?聞いた事が有りますよ。」とよく言われます。

理解するのが簡単そうで難しく、分かり易そうで分かり辛い、そんな教えが『あるがまま』なのですが、放置して何もしない、気の向くまま、なる様になる、あきらめる事とは違うようです。(私も最初は言葉としてはそんな意味だと思っていました・・・)

講師の方の説明では、<例> 月曜日の朝に仕事に行きたくないと思っている気持ちを認めながら仕事に行くのが森田療法の言う『あるがまま』で、仕事に行くのが嫌だと思わない様にならなければ・・と考えるのは「とらわれ」、勉強するのが嫌だから(ありのままに)勉強しないのは単なる「屁理屈」との事。

但し『あるがまま』になろうとしている事は、既に『あるがまま』ではない。
<例> 写真を撮る時に「もっと自然に笑って」と言われて笑った時の笑顔は自然ではない・・・

前回のブログ『対人恐怖症』にも書きましたが、『不安を感じる気持ちを認めて(不安を取り除こうとせずにそのままにして置き)行動(生活や仕事を優先)する。』という事が森田療法で言う『あるがまま』だと理解しております。(きっとそうだと思います)
もっと理解が深まったら改めて書いてみたいと思います。

それでは日記療法の話しに移りますが、日記と言うのは就寝前の30分から1時間位前に患者さん(※以下クライエント)に記載して貰います。
ノートや、電子メールの等でも良いとされています。

その日の具体的な行動と感じた事(嬉しかった事や悩んで辛かった事等)を書いて貰って、次の面接(カウンセリング)の時に交換します。(交換日記の形式)
治療者(※以下カウンセラー)は赤ペンなど(何色でも良い)でコメントを書きます。長いコメントよりも短いコメントの方が良いそうで『不安なままでいいから目の前の事に取り組んでみよう。』『失敗は誰にでも有る。』『この経験を活かして行こう。』の様な感じで、結果の良し悪しではなくやろうとチャレンジした事、少しでもやった事を褒める(認める)事がポイントで、苛立ちや不満、情けなさ等、どんな感情も自然なのだと理解してクライエントがそれらを受け入れて行くよう促して行く事が大切との事でした。

◎情けない気持ち = 悪い事・・ではない ⇨ 裏側に有る気持ち(より良く行きたいと思う気持ち)が大切という事です。

日記の良いところを纏めると下記の様になります。
・過去の文章を読み返すことが出来るので気持ちの変化・変遷が分かる
・カウンセラーに読んでもらう事が前提なのでクライエントが客観的立場になる事も可能
・遠方や経済的な理由などで定期的な面接が困難な場合に於いても繋がりを保ちやすい
・面談では言いにくい事や上手く言えない事も、落ち着いて書いたり書き直したりする事が出来る
・言葉より文字の方が相手に本心を伝えやすく上手く伝わる事も有る

面談と日記、それぞれの良い所を理解してクライエントさんのタイプや状況も考慮した上で今後のカウンセリング等に役立てて行きたいと思います。

男性の講師が多い中、紅一点、素敵な先生でした。

 

2016年(平成28年)7月25日(月)

森田 研吾

 

 

株式会社ノース・ナイン・ステート
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お役立ちできるEAP(メンタルヘルス外部相談機関)を目指します

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コメント

    • 清水清美
    • 2016年 7月 29日 5:17am

    あるがままは難しいですね。
    後ろめたさが出来て、なかなか今の気持ち通りに
    行えない事が多くて…でも、あるがままに自分を
    持って行くと、とても楽なのです。
    日記療法⁈
    ここ、二三ヶ月位、寝る前に良い事を感じた日記てと嫌な気分の日記を書いています。
    森田さんの今回のブログは、私のやりたい事、やってる事とドンピシャでブラボーでした‼️

    • 森田研吾
    • 2016年 7月 29日 5:20pm

    コメントありがとうございます。
    『あるがまま』は言葉自体の意味にとらわれず、森田療法としての意味を理解して頂ければ嬉しいです。
    それから、日記を書いておられるとは偶然というか?ご縁でしょうか? 是非続けてみられてはいかがでしょうか?!

    • 西村ミツエ
    • 2016年 8月 05日 11:44am

     こんにちは^^
    初めてコメントさせていただきます。
    読むだけで心が落ち着くようなブログで更新されるのを楽しみにしています。
    私自身、嫌な事やつらい事があると逃避してしまう事が多いのです。
    嫌だという気持ちをダメな考えだとは思わずに、出来るだけの事をやればよいという事でしょうか?
    心がけてみようかなと思います。
    日記ですが良い事は書きたくなるのですが、嫌な事は書く事によって思い出されてしまうので、避けたくなってしまいます。
    そんな時も少しでも頑張って書いた方が良いのでしょうね?
    いろいろ質問のようになってしまい、申し訳ありませんでした。
    次回の更新楽しみにしています。

    • 森田研吾
    • 2016年 8月 05日 2:57pm

    西村さま
    コメントありがとうございます。
    出来るだけの事をやればよい ⇒ やるべき事をやる、今まで避けてきたやりたかった事・やりたい事をやってみる! 
    のような感じで良いと思います。

    それから日記の事ですが、
    その時の自分にはとてもつらい事や不快だった事も、時間が経って読み返してみると、今の自分ならそうでもなかった!等の
    心の変化が分かりますので(無理はされなくても結構ですから)少しずつ試してみられても良いかな?と思います。

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