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アドバンスコース(5日目)【前半】 強迫性障害に対する森田療法

平成29年4月1日(土)

講師:森山 成彬 先生(通谷メンタルクリニック 院長)(小説家:帚木 蓬生 先生)

アドバンスコース5日目講座 前半テーマ『 強迫性障害に対する森田療法 』

強迫性障害の症状は、多種多様な強迫観念が起こる事と、それを打ち消す為に本人も不合理であると分かっていながら行う強迫行為(森田療法では「はからい」)とがセットになっています。

不潔恐怖(自分が苦手な物に汚染される気がして長時間何度も手や体を洗う)、確認恐怖(ガスの元栓や玄関の鍵を閉めたのに閉めていなかったような気がして何度も確認する)、加害恐怖(道を歩いていて他人とすれ違ったり車の運転中等に、他人を傷つけたのではないかと思い、何度もその場所に引き返してそうでない事を立証しようとする)、その他にも様々なパターンがあるようです。

治療のコツは、強迫観念(◯△×・・なのではないだろうか?という不安な気持ち)が起こって「モヤモヤ」しながらも、強迫行為(不安などを打ち消そうとする行為:はからい)を行わず、不安な気持ちのままで、次の行動に出る。

この「モヤモヤ(嫌な気分)」は、そのまま放置しておくと時間と共に自然に消失して行くので、「モヤモヤ」した気持ちのままで手を洗うのを止める(手を洗わない)、不安を感じたままで外出する、心配でたまらなくてもその場所に戻って確認しない事、これらが大切との事でした。

強迫行為(儀式的行為)よりも、本来やるべき事を優先して行うという事のようです。

強迫行為を行う事で、その場は一旦気分がスッキリしても、何度も同じ観念が繰り返してきますので、ご本人にとってはとても辛い事ですが、どこかでその悪循環を断ち切り、今まで症状(強迫観念と強迫行為)により自分で制限してきた事・できなかった事・本来やりたかった事を積極的に行う事が、良い方向(好循環)に転換して行く方法との事でした。

 

◎写真の本『生きる力』森田正馬の15の提言(左側)は講座当日に頂いた物、『ネガティブ・ケイパビリティ〜答えの出ない事態に耐える力〜』(右側)は、その後に購入した物を掲載しました。

 

 

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